JIN建築事務所 の 設計手順

ここであらためて紹介するほどのものではありませんが、なかなか依頼するのは勇気が要ると伺います。
(それはそうですよね。海の物とも山の物ともわからぬ輩に、とっても高額で大切な住まい造りを、依頼しようと言うのですから、臆病になって当然の事ですね。)
それでは、どのような事をしながら、どのように進められていくのか、ご説明していきましょう。

どんな事からするのでしょうか?

まずはお会いして、お話しましょう。(それができないから聞いているのですね。)
メールでも、お電話でも結構です。まずは一言声をかけて下さい。そこから始まります。
それでお金を取るようなぼったくり事務所はないでしょう。
そして、メールや電話のニュアンスで、こいつとは合わないと思ったら、別の方を探しましょう。
それぐらい、相性は大切です。私は、声をかけてくださる方を、一生懸命好きになろうと努力しますが、私自信の性格やスタンスは、劇的には変りません。嫌われてふられる場合だって当然あります。(悲しいけれど)



会う時は?

私は伺う事が多いでしょうか。何故ならその敷地やご家族にも会えるからです。
あんまり遠いと、時間と交通費が大変ですが・・・。あんまり腰が軽すぎるのも良くないようです。
事務所を見て頂くのも必要な事だと思います。可能であれば、お越し頂くのも良いでしょう。

その時費用は発生するのでしょうか?

あんまり遠くなければ、初回から費用を頂く事はありません。勿論依頼する気持ちのある方のみです。
プランだけとか、敷地や現場だけ見てもらおうとか、そのように、目的の違う方の場合は別になりますのであしからず。
お越し頂くのであれば、喜んでお迎えします。現場に出ている事もありますので、事前にご一報下さると有難いです。

その時用意するものは?

特別ございません。
ご家族のお話や、ご自身のお話。敷地がわかるものや、ご予算。住まいに対する思いや、家族の願い、一度にはお話しきれないと思われますが、これらのお話の取りかかりとなります。
住み心地の良さはアリストテレスも言ったように、住まい手の方が、一番知っているのです。
ただ、これらは内在されているだけで、明確に伝えたり、表現できない事が多いですから、それを一緒に発見するのも、私達の仕事です。

それからどうなるの?

一通りのお話をしながら、この人にお願いしていいのかどうかは、感じるところがあるはずです。
相性が合わないと思ったら、遠慮せずに、「今回依頼できないけれども、回りまわって良いご縁がありますから、がんばってね」などと言って頂けると嬉しいです。

依頼してみたいけど?

と思われたら、早速打合せを進めてみましょう。
なんだぁそれはとお思いでしょうが、やる事は明確。
ご家族のお話をじっくり聞きながら、私のことも話しながら、涙あり、笑いありの打合せを積み重ねて信頼関係を築き上げます。平行しながら近隣調査(黙視・写真・計測)、役所調査(用途地域・その他法的条件)、気候風土自然条件等の調査も進めます。
打合せも、調査も、程度の差はあるでしょうが、全て建物を建てるために欠かせなものばかりです。打合せを5回程度重ねたところで、このまま進めるか、停止、または中止するかをご確認頂きます。

このまま進んでみよう、そう思ったら!

(喜)仮契約となります。契約を前提としながら、さらに打合せを進めていきます。なぜ、家が必要なのか、家の役割とは何かなど、家造りの根幹に関わるところから始まり、住まい造りが表層の機能や装飾だけに囚われないように進めていきます。最初の提案をさせて頂くまでに10回程度の打合せが通常必要となります。(ケースバイケースで時間的に余裕のある方の場合は、それ以上掛ける場合もあります。極端に少なくはなりません。)提案は平面計画図と模型などでさせて頂きます。計画案・概算金額・工程計画が納得頂かなければ契約には至りません。(涙)その場合には仮契約で停止、または中止になるか、提案を再検討致します。仮契約は5万円〜10万円の仮契約金額を合意の上設定し、契約に至る場合には契約金額に充当し、契約に至らない場合にはこの間の報酬として頂戴致します。提案させて頂くプランの著作権は人建築事務所に帰属致しますので、ご契約頂かない場合には、その建物を建てる事はできません。
細かなことを言うなと思われるでしょうが、私たちはこれを生業としておりますので、プランのただ取りは、家族が路頭に迷い、私は遠洋漁業に出なければなりません。(涙)

もっとプランを作りたい

ここまで来たら納得のいくまでやりましょう。と言いたいところですが、最初の提案で、箸にも棒にもかからなかった場合はやめて置きましょう。気に入ってるんだけどこうなったらな〜、ああなったらな〜、などの場合はさらに詰めていきます。


このプランで建てたいと思ったら?

「設計・監理」の契約になります。基本設計(平面図・立面図・断面図)に取りかかります。契約金額は条件や業務内容によって異なりますので、その都度、ご相談のうえ決まります。勿論今迄頂いた費用は設計監理料に充当させて頂きます。私どもは建築主様からの報酬のみで仕事をしております。施工業者や、建材業者から頂く報酬はありませんので、独立した立場で、建築主様のために、仕事をする事ができるのです。

基本設計ができたら?

次は詳細な打合せを繰り返しながら、「実施設計」です。枚数ばかりが脳ではありませんが、より正確な見積をはじいて頂くためには、相応の設計図書が必要になります。
そこで初めて、より正確な、適性な数量と単価が計上される見積が提出される事になります。分からないものだらけのものを請負う事は、どんぶりでそれもかなり多めにしなければ怖くではじけれないからです。誤解を招いてしまうかもしれませんが、設計図書の重要な役割の一つに、より適正な金額をはじくための使命があるのです。それが無ければ、高いか安いか、妥当なものか、不当なものかもわかりません。

ただし、家を建てる全ての情報を網羅する事は、不可能に近いです。数百枚、数千枚の図面を作成すれば可能かもしれませんが、単品生産で、そこまでの労力とコストはかけれないのが、実態です。そこで有能な施工業者と職人の力が必要になります。

見積って誰が出すの?

施工業者に出して頂きます。出て来た見積を数量及び単価、項目をチェック致します。
数量計算を一から全て行う事もありますが、かなりの労力を要します。あまりにエネルギーが要るため、必要な場合、別途業務として行っております。
要望により、複数の施工業者に依頼する場合もあれば、施工特性などから、一社に企画段階から依頼する事もあります。
状況に応じて、要望に応じて行うと言って良いでしょう。

ここでお薦めしないのが、やたらと多くの施工業者に依頼する事です。見積も業務として考えれば、多大な労力を費やして頂く事になりますから、多ければ多いほど、負担をかけてしまう事になります。
規模・内容に応じて、適切な会社を選んで依頼することが、依頼する側の誠意にもなり、それに誠実に応えてくれる施工業者の存在から、信頼関係が生まれます。

施工のときは?

設計図を基に、工事の進捗が行われますが、前にも述べたように、全てが網羅されているわけではありません。
現場指示書や施工図・その他仕様書等での補完が必要になります。現場で職人さんや監督さんと一緒に図を描きながら、より良い方向へと変更もされます。また、ミスもつきものです。単品生産で多くの技術者の協力で初めて成り立つものですから、存在は否定できません。それらを未然に防ぐ管理体制とともに、おきた時の対処能力が逆に問われるものでもあります。
それらを補ってきたのが、職人さんの技術や知恵であり、監督の経験や知識による采配であったりするのだと思います。
建築はかなりローテクで、機械などの産業に比べると遅れておりますが、それが、個々の対応に柔軟に適用する曖昧さであったりもします。
しかし、そのような住宅建設現場も、住宅品質確保法や、欠陥住宅の社会問題を受け、より品質の高いものへの成長を、促されている過渡期とも言えるでしょう。コストとの合間で、これら諸要求に、どれだけ応えていけるのか、施工技術者とともに、我々設計・監理者も、そのための模索と努力を続けている所でもあります。


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